HOME » MLB » Tyler Glasnow » 2021年にタイラー・グラスノーが語った大谷翔平

The Chris Rose Rotation Episode 79で、ルーカス・ジオリト(シカゴ・ホワイトソックス)とタイラー・グラスノー(タンパベイ・レイズ)が大谷翔平について語ったが、グラスノーは過去のThe Chris Rose Rotationや記者会見でも大谷翔平の名前をしばしば口にしている。

5月3日〜6日の4連戦前、タンパベイタイムズにグラスノーの大谷に対するコメントが掲載された。

「彼は怪物(freak)だ」
「マウンド上での支配力やバッターとしてのeye-hand coordination(視覚的空間認識と手の動作を同時連携させる能力)など、信じられないほどの能力を持っている。彼は稀代の才能を持っている。彼を見るのはとても楽しい。大ファンだ」

初対戦後のインタビュー「大谷の体重を今すぐググって!」

大谷翔平は5月3日に先発予定だったが、前日の試合で右肘に死球を受けた影響で登板を回避し、レイズ先発のグラスノーとの投げ合いは実現せず、打者・大谷との対戦となった。

大谷に9号2ランと二塁打を許したグラスノーは、試合後のオンライン会見で「非常に感心させられる選手だと思う。すごくいいカーブを投げたんだけど、打たれてしまった。スライダーを捉えられホームランを打たれてしまった。彼は非常に素晴らしいと思う。身のこなしも素晴らしい。体もとてつもなく大きい。間違いなく良い選手だ」と褒めた後、大谷の体重について、報道陣と激論を交わした。

グラスノー「僕たちは大男仲間だ。彼は体重はどれくらい? 僕より大きいでしょ? 誰か早くググって! 知りたいんだ」

記者「203ポンド(約92キロ)だとか」

グラスノー「絶対に違う。203ポンドのはずがない」

記者「ベースボール・リファレンスには210ポンド(95キロ)と出ている」

グラスノー「210ポンドもあり得ない。最低でも240ポンド(109キロ)はあるはずだ」

なお、この試合でグラスノーは、ストライクカウントを間違って2ストライクなのに三振をとったつもりになったり、デビッド・フレッチャーのピッチャー返しをミラクルキャッチしたり、マイク・トラウトがバランスを失うような空振りを奪ったりと、面白いことを数多く起こしてくれた。
このころは怪我人もいなくて、トレードもされていなくて、希望が持てて、幸せだった。

投打を目撃した4連戦後

5月10日にYouTubeに公開されたThe Chris Rose Rotation Episode 21で、アナハイムでの4連戦を振り返った。

初戦でのマッチアップが実現しなかったことについては「僕は対戦相手のピッチャーが誰かをあまり気にしていない。相手が投げている間はあまり気にしない。むしろ、彼と対戦していない時に、彼を見ることができる時間が欲しい。自分が投げている時は、イニングの間にダグアウトに座ることもないからね。だから正直なところ、僕はむしろ、ダグアウトに座って彼の投球を見ていたいと思っていて、それができたので(グラスノー先発の翌々日に大谷が先発)本当に良かった」
「オースティン・メドウズのピッチャー返しをキャッチしたとき、大谷は彼に謝った。彼はとても親切な人間(nicest human being)のようだ。それはとてもクールだと思った。そんな思いやりはなかなかできるものではないし、彼のことは良い話しか聞いていないので、間違いなく応援する人の一人であり、特別に好きになってほしいと思う」
「プレッシャーもあるだろうし、彼がどれだけビッグネームであるかということもあるだろうし、そのように成功を期待されている状況で、その期待に応えて彼が成功するのを見られたらいい。たとえ僕が彼にホームランを打たれるとしても」
打者・大谷の進化について聞かれると、「僕は今まで彼と対戦したことがなかった。今年の彼は本当によく打っていて、それはとても印象的だった」
「第1打席、84〜85マイルのカーブを投げた。僕のカーブが良い時は、普通はバットに当てることすらできなくて空振りするけど、彼は低めの本当に良いカーブをファールチップしていた。彼の背の高さと手足の長さがとても印象的だった。彼はどこにでもバットが届くし、とてもユニークなスイングをするので、見ていて楽しい」
投打の二刀流については「信じられないほど、とても素晴らしい。野球では打撃も投球もスランプに陥ることがよくあるけど、両方をこなすということは、片方の調子が悪くなったときに、もう片方の調子を上げることができるということで、いいことなのかもしれない。彼は本当にうまくやっているように見える。とても若々しくて、楽しそうに、屈託なくやっているようだ。彼は特別な才能を持っている。2つをうまく使い分けているのはすごいと思う」
ちなみに、レイズはこの4連戦でエンゼルスをスイープしたが、その前の3カードでは勝ち越しがなく、勝率5割未満の借金生活を送っていた。エンゼルス4連戦で貯金生活に入り、5月が終わる時には35勝20敗となっていた。

オールスターの大谷翔平

7月19日にYouTubeに公開されたThe Chris Rose Rotation Episode 43で、オールスターゲームについて振り返った。
オールスターの期間中、ブルックリンに短期滞在していたグラスノーは「オールスターゲームは見ていない。もっといいことがあったんだ」と告白した。
しかし、ホームランダービーは観戦したというグラスノーは、「大谷翔平は嫌な奴(dick)ではないし、いい人。とても不思議だよ。彼は三拍子揃っているんだ。彼は良い人間で、本当に良い野球選手。素晴らしいと思うよ。僕は彼の大ファン。彼が優れたキャリアを過ごすことを願っているよ」

6月のレイズ対エンゼルスの3連戦で大谷翔平のホームランを間近で見られたことについて、「タンパであの場所まで行く人はあまりいないね。僕のスライダーを打ったホームランも、とても印象的な強打だった。彼は、あの大きさで、ゾーンをめちゃくちゃにカバーする。異常なくらいに。あれだけ大きい選手は、どこかに穴があるもので、タイミングを合わせるのも難しい。でも、彼は怪物で、そのような力がある。普通じゃない生き物なんだ」

スティーブン・A・スミスの差別的発言について

続いて、アメリカのスポーツ局ESPNの著名アナリストのスティーブン・A・スミスが、大谷翔平が英語の通訳を介してメディアと話すのは「ゲームに悪い影響を与える」「野球の顔である選手が、通訳を必要とするような人物であることは、野球界の助けにならないと思う」と発言したことについても言及した。

「ただのクリック‐ベイト(記事に扇情的なタイトルをつけ、ユーザーの興味を引いて閲覧者数を増やす手法)だよ」

「馬鹿げたコメントだった。ショーのためにやっているのかもしれない」

「あのコメントは意図的に物議を醸すためのものだったのではないか」

「文字も言語も違う国に行く人は、絶対に通訳が必要だ」

「野球は人種のるつぼであり、多くの人々が同じものを共有している。比較的みんなが仲良くしているような気がする」

ブレット・フィリップスは日本語で大谷翔平に自己紹介

Episode 43のゲストは、オールスターゲームにレポーターとして参加したブレット・フィリップスだった。
レッドカーペットショーでフィリップスは「二刀流の天才、ブレット・フィリップスです。お会いできて嬉しいです」と大谷翔平に声をかけ、日本語で自己紹介した。
「はじめまして。ブレット・フィリップスでがんす」
「彼は私の日本語が完璧だと言ってくれて、楽しい時間を過ごすことができた。オールスターおめでとうございますということも話した」

自ら切り出した大谷翔平

これまでタイラー・グラスノーは、インタビュアーからの質問に答える形で大谷翔平についてコメントしていたが、9月13日にYouTubeに公開されたThe Chris Rose Rotation Episode 59では、自ら大谷翔平の名前を口にした。
トミー・ジョン手術明けのタイラー・グラスノーの退屈しのぎに、BattleBotsのレポートを書く宿題を課したクリス・ローズに対し「“バトルボット界の大谷翔平”のような人はいないのかな?」と、グラスノーは問いかけた。
大谷以外の選手についても、コメントを求められたら、良いことしか言わず、必ず褒めるグラスノーだが、この言葉を聞いて、彼はお世辞抜きで大谷を認めているということが分かった。
ちなみに、タイラー・グラスノーのトミー・ジョン手術を執刀したのはキース・マイスター医師で、9月の前田健太のトミー・ジョン手術執刀医と同じ。ダルビッシュ有がテキサス・レンジャーズ時代に右肘側副じん帯を損傷した時も、チームドクターとして関わった。
そのグラスノーのトミー・ジョン手術痕は、大谷翔平の手術痕と比べると、とても小さくて、線路のような縫い目も見られない。本人曰く、痛みも早くとれて、とても具合が良いようだった。
タイラー・グラスノーのトミー・ジョン手術痕