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2021年BBWAA主要4賞の投票内容

141試合出場、打率.274、20本塁打、69打点、20盗塁、OPS.815

レギュラーシーズンの盗塁失敗数10は、大谷翔平と並んでトップ。成功率は低くても、相手守備陣に与える威圧感は大きい。

1995年にキューバで生まれ、2014年に父が亡くなり、翌年カヤックのようなボートでメキシコへ渡り、亡命したという。

昨オフにDVの疑いで拘束されたという報道があったが、受賞時には今年生まれた赤ちゃんを抱いて、家族と喜びを爆発させていた。
2020年、2021年のポストシーズンでの活躍に強烈な印象がある一方で、レギュラーシーズンでは飛び抜けた成績ではなかったものの、蓋を開けてみれば2位以下に大差をつけての受賞となった。
得票者, 所属チーム1位2位3位ポイント
Randy Arozarena, Rays2242124
Luis Garcia, Astros215863
Wander Franco, Rays25530
Adolis Garcia, Rangers31927
Emmanuel Clase, Indians1211
Ryan Mountcastle, Orioles2410
Shane McClanahan, Rays13
Alek Manoah, Blue Jays22

NL:ジョナサン・インディア(シンシナティ・レッズ 二塁手)

150試合出場、打率.269、21本塁打、69打点、12盗塁、OPS.835
ジョナサン・インディアは、選手間投票で決定する「プレーヤーズ・チョイス・アウォード」のナ・リーグ新人王も受賞した。
得票者, 所属チーム1位2位3位ポイント
Jonathan India, Reds 291148
Trevor Rogers, Marlins 126386
Dylan Carlson, Cardinals 31322
Patrick Wisdom, Cubs55
Ian Anderson, Braves 33
Tyler Stephenson, Reds22
Frank Schwindel, Cubs22
David Bednar, Pirates11
Vladimir Gutierrez, Reds11

最優秀監督賞(Manager of the Year)

AL、NLとも、リーグで最も多く勝ったチームの監督が受賞した。監督の最大の価値は勝利であることが明白な結果だった。
個人的には最もクールな監督としても表彰したい。

AL:ケビン・キャッシュ(タンパベイ・レイズ)

ア・リーグで唯一となる100勝を達成。レイズを地区優勝に導き、昨年に続いて史上2人目となる2年連続の受賞となった。
2021年のオールスター・ゲームで大谷翔平の二刀流出場を実現させたことにも感謝。
得票者, 所属チーム1位2位3位ポイント
Kevin Cash, Rays1935109
Scott Servais, Mariners 513771
Dusty Baker, Astros25833
Charlie Montoyo, Blue Jays32223
Alex Cora, Red Sox13216
Tony La Russa, White Sox4315
AJ Hinch, Tigers 33

NL:ゲーブ・キャプラー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)

ナ・リーグ最多で球団記録となる107勝を挙げ、ジャイアンツを地区優勝に導いた。
今年46歳とは思えないほどに鍛え上げられた体は、日々の激しいトレーニングの賜物らしい。

讀賣ジャイアンツ在籍時を知る人から「あのキャプラーが!」という驚きの声があがるほど、日本での評判は良くなかった。勝てば官軍。

得票者, 所属チーム1位2位3位ポイント
Gabe Kapler, Giants 281143
Craig Counsell, Brewers 122475
Mike Shildt, Cardinals 131125
Brian Snitker, Braves 4921
Dave Roberts, Dodgers 66

今季107勝のジャイアンツ キャプラー監督と2024年まで契約延長

Published by
MLB.jp
日本時間11月13日、ジャイアンツはゲーブ・キャプラー監督との契約を2024年まで延長したことを発表…

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サイ・ヤング賞(Cy Young Award)

AL:ロビー・レイ(トロント・ブルージェイズ)

32試合先発、投球回193回1/3(リーグ最多)、13勝7敗、防御率2.84、248奪三振。最優秀防御率と最多奪三振の二冠を獲得。

前年の防御率6.62はサイ・ヤング賞受賞者としては歴代ワーストとのこと。
今年5月までは防御率3点台後半で、大活躍した印象はなかったが、前半戦好調だったランス・リンやゲリット・コールとは対照的に、後半戦でメキメキ成績を上げていった。
得票者, 所属チーム1位2位3位4位5位ポイント
Robbie Ray, Blue Jays291207
Gerrit Cole, Yankees 129123
Lance Lynn, White Sox115548
Nathan Eovaldi, Red Sox 86541
Carlos Rodon, White Sox48634
Frankie Montas, Athletics26321
Lance McCullers Jr., Astros14314
Liam Hendriks, White Sox3110
Jose Berrios, Twins/Blue Jays1138
Chris Bassitt, Athletics 22
Lucas Giolito, White Sox 11
Raisel Iglesias, Angels 11
エンゼルスのライセル・イグレシアスにまさかの1票を投じたのは、カンザスシティのThe Associated PressのDave Skretta記者。

NL:コービン・バーンズ(ミルウォーキー・ブルワーズ)

28試合先発、投球回167回、11勝5敗、防御率2.43、234奪三振。最優秀防御率のタイトルを獲得。奪三振率もトップだった。

8月11日には10連続奪三振のメジャー記録をマーク。9月11日には8回までコービン・バーンズ⇒9回にジョシュ・ヘイダーで継投ノーヒッターを達成した。最優秀リリーフ賞を受賞したジョシュ・ヘイダーとの鉄壁継投は圧巻だった。
得票者, 所属チーム1位2位3位4位5位ポイント
Corbin Burnes, Brewers 121431151
Zack Wheeler, Phillies 129441141
Max Scherzer, Nationals/Dodgers65136113
Walker Buehler, Dodgers 2917170
Brandon Woodruff, Brewers 21721
Kevin Gausman, Giants 147
Adam Wainwright, Cardinals 33
Julio Urias, Dodgers 33
Jacob deGrom, Mets 11

WARと投球回数はザック・ウィーラーがトップ。記者もさぞや頭を悩ませたであろうことが得票数から伺える。

最優秀選手賞(MVP)

AL:大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス 投手/指名打者/外野手)

投手成績

防御率 試合数 完投 完封 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁打 奪三振 与四球 与死球 暴投 ボーク 失点 自責点
3.18 23 0 0 9 2 0 130回 1/3 98 15 156 44 10 10 2 48 46

打者成績

打率 試合数 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打数 打点 三振 四球 死球 犠打 犠飛 盗塁 出塁率 長打率
.257 155 537 103 138 26 8 46 318 100 189 96 4 0 2 26 .372 .592
意外なところで、ブランドン・ロウ(タンパベイ・レイズ)が10位に入っている。スターティング・ラインナップを固定しない傾向のレイズにおいて、ほぼ二塁手で149試合出場、39本塁打、99打点。地味だけど成績は地味じゃない。
レイズで地味で話題にならないという点では、106打点を上げたオースティン・メドウズと、捕手ながら33本塁打でオールスターにも出場したマイク・ズニーノも同じで、かろうじて10位1票を得た。
トロント・ブルージェイズはファイナリストが2人、他3人が得票しており、ロビー・レイがサイ・ヤング賞も獲得しているのに、ポストシーズンに進出できていない。

NL:ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ 外野手)

打率.309(488-151)、35本塁打、84打点、OPS1.044
ワシントン・ナショナルズ在籍時の2015年に続き、2回目の受賞。
4月28日のカージナルス戦で顔面(しかも96・9マイルのシンカー)に死球を受けた。その後、Instagramで痛々しい青あざを見せながらも身体検査に異常がなかったことを明かし、5月2日に復帰したものの、成績は急落してしまった。
6月から復調傾向に入り、7月から9月は打率3割台、OPS1.0超えを続け、フィリーズの快進撃に大きく貢献した。
顔面死球の恐怖を克服してのMVP受賞だっただけに、発表時の涙にはグッとくるものがあった。
得票者, 所属チーム1位2位3位4位5位6位7位8位9位10位ポイント
Bryce Harper, Phillies179211348
Juan Soto, Nationals61172211274
Fernando Tatis Jr., Padres2515512244
Brandon Crawford, Giants42178431213
Trea Turner, Nationals/Dodgers1331034211185
Paul Goldschmidt, Cardinals1355742128
Austin Riley, Braves1466721111
Tyler O'Neill, Cardinals12325262
Freddie Freeman, Braves12251243
Max Muncy, Dodgers1316638
Bryan Reynolds, Pirates326333
Nick Castellanos, Reds115224
Ozzie Albies, Braves11112
Max Scherzer, Nationals/Dodgers11111
Corbin Burnes, Brewers139
Joey Votto, Reds1128
Willy Adames, Brewers1138
Manny Machado, Padres1127
Zack Wheeler, Phillies1116
Adam Wainwright, Cardinals13
LaMonte Wade Jr., Giants11
Kevin Gausman, Giants11
Buster Posey, Giants 11
ブランドン・クロフォード(サンフランシスコ・ジャイアンツ)は、1位票はフェルナンド・タティスJr.(サンディエゴ・パドレス)より多いものの、2位以下で稼げず、惜しくもファイナリスト入りはならなかった。
バスター・ポージー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)に1票を投じてくれたのは、地元San Francisco ChronicleのSusan Slusser記者。